Concept

「であう」 「つながる」 「かわる」

-地の塩、世の光として真の
イノベーションを実現するために-

  • 「であう」Encounter
  • 「つながる」Connect
  • 「かわる」Transform

真のイノベーションを
サポートする図書館へ

本学図書館が「ライネルス中央図書館」として生まれ変わるには、
高潔忠実にして善良であれとの師の思いを継承すべく、動的、積極的に人と人、人と書物や知識、
そして社会とが全人的かつ個性的存在として「であい」「つながり」「かわる」ことによって、
新たなイノベーションが実現するよう種々のサポートを提供する図書館となることが求められます。
そうしてこそ「個」の力は「世界」の力たりうるのです。
真のイノベーションという化学反応をもたらす触媒作用の重要性や機能を自覚しながら、本学図書館は、
利用者が「であい」「つながり」「かわる」特別な場所、地の塩、世の光としてのプレゼンス(存在感)を発揮する
「ライネルス中央図書館」へと生まれ変わります。

2022年4月着工予定 2022年4月着工予定

Story

ライネルス師の功績と
3つのコンセプトにまつわる話

ヨゼフ・ライネルス師
CONCEPT.1
「であう」ことの導き:
CONCEPT.1 「であう」ことの導き:

南山学園の母体である旧制南山中学校の創立者ヨゼフ・ライネルス師の、学校創立理念の源泉は、1906年、ドイツ、ボン大学に提出された学位論文にまで遡る。師は、学問に専念した青年期に中世スコラ神学における「普遍と個」の問題と「であい」、研究成果たる論文は、著名な哲学研究者による『哲学史』にも名前が掲載されるほど高く評価された。その3年後に来日すると、師は、学校創立の夢を実現させるべく奔走したが、世界恐慌による経済苦境により学校創立・運営は困難との当時の状況にも拘らず、あくまでも文系・理系・社会科学系全般を網羅した普通科旧制中学校の設立(1932 年)に拘った。自由闊達にして個性を尊重するキリスト教主義に基づく全人一貫教育との創立理念は、「普遍と個」を巡る学的課題や来日当時の日本人との「であい」があってこそ実現したのであり、師のこれら貴重な「であい」が本学創立の出発点に他ならなかった。

CONCEPT.2
「つながる」ことの大切さ:
CONCEPT.2 「つながる」ことの大切さ:

来日後 71歳で帰天するまで、常に師の念頭にあったのは、人と人との「つながり」の大切さと、そのあるべき姿であった。それは、師がことある毎に記していた ”Seid edel ,treu und gut”(高潔忠実にして善良なるべし)との標語にも表されている。これは文豪ゲーテによる”Das Göttliche”(神的なるもの)という詩の「人間よ、高貴なれ、人に尽くし、まことあれ!」で始まる冒頭6行からヒントを得たものであった。ここには、人と人との「つながり」の大切さと、そのあるべき姿が謳われており、「高潔忠実にして善良なるべし」との言葉は、師の名前でもあり聖家族を背後から支える聖ヨゼフの姿を示した標語であった。この言葉は、後にボルト神父の提案により、”Hominis Dignitati”(人間の尊厳のために)という建学のモットーとして生き続けることとなったのである。

CONCEPT.3
「かわる」ことによるイノベーション:
CONCEPT.3 「かわる」ことによるイノベーション:

師の功績を振り返る時、いかなる絶望的な苦境に苛まれようとも、自身が「かわり」つつ、理想実現のために自ら飛び込んで「変革」の一石になろうとした果敢な姿が伺える。理想とする学校創立のために邁進し、経済苦境をはじめとする幾多の困難にも耐えながら、ひとつ一つ着実に実現させていったことは、教育者、学校創立者としての師のイノベーティブな功績であった。そこには、時流に逆行するかに見えようとも高い理想の実現に向けて進み続ける師の、「かわる」ことを潔しとした教育理念が垣間見られる。その「かわる」ことを厭わない不断の努力が、地の塩、世の光として人や社会に真のイノベーションを可能ならしめることを、師は身を以て示したのである。

写真:南山アーカイブズ所蔵